カクテル入門1
このブログを見て,自分も Bar に行ってみようと思う人もいるだろうし,入門記事を書いてみよう。Bar 入門とどっちにするか迷ったけど,まずは,カクテル入門から。
カクテルのレシピは無数にある。スタンダードと呼ばれる全てのバーテンダーが知っている(知っていなければならない)ものから,レシピ集には載っているけど,マイナーなもの,カクテルコンクールなどで発表されたオリジナルカクテル,あるお店のオリジナルカクテルなど。
レシピを知りたければ,サントリーのカクテルレシピ集なんかを調べるのもいいと思うし,NBA 新オフィシャルカクテルブックとかを買ってみたらいいのではないだろうか。
複数種類の飲み物を混ぜていれば,カクテルと呼ばれる。中には1種類しか使わないものもあるけどね。たとえば,ニコラシカ(ブランデー+スライスレモン+砂糖)。あるいは,チャーチルマティーニ(ベルモットの瓶を長めながらストレートのジンを飲む)。
カクテルはまず2種類に分類して考えるのがよい。比較的分量の少ないショートカクテルと,氷が入っていて分量の多いロングカクテルだ。ショートカクテルはアルコール度の高いものが多く,時間がたつとぬるくなってしまうので,遅くとも20分くらいでは飲みきった方がよい。そのため,お酒に強い人に向いている。ただ,ロングカクテルでもアルコールの総量は変わらないものもあるので,ロングなら弱くても大丈夫と言うわけでもない。飲みやすいからかえって飲み過ぎてしまうことも。
カクテルに使われる技術は,シェーク,ステア,ビルド,ブレンドの4種類。ブレンドはミキサーを使うもので,フローズンカクテルや生のフルーツを使ったカクテルに用いられることが多い。その他の3つはカクテルレシピに指定がある。
シェークはシェーカーを使って混ぜる技術で,いかにもカクテルという感じになる。この過程は混ぜることと同時に冷やすことも目的としている。カクテルによっては,このときに砕けた細かい氷が表面に浮いていて,それが爽快感を増したり,舌触りを面白くしたりしている。
ステアはミキシンググラスで氷とともにバースプーンで混ぜること。シェークほど激しく混ぜないので,混ざりやすい材料の場合に用いる。シェークに比べて味が丸くならず,ドライになる。
これらはショートカクテルを作るときに使われるが,シェークまたはステアした後で,ソーダなどでメスアップするロングドリンクもある。
ビルドは飲用のグラスに直接材料を入れていくもの。水割り,ソーダ割りなどを作るときのやり方だ。
カクテルのレシピを学ぶときは,ロングかショートか,どの技術を用いて作るのか,ベースは何かなどを軸として分類することが多い。ただ,それならそういう本を読めばいいので,ここでは断片的に,オススメのカクテルを紹介することで,初心者が気楽に Bar に行ける助けとしたい。というわけで,個人的にオススメのカクテルを列挙していこう。
・サイドカー(ショート)
ブランデー,ホワイトキュラソー(コアントロー),レモンジュース。スタンダード中のスタンダード。弱くはないが,甘口で飲みやすい。ベースとなるブランデーを他のお酒に入れ替えて,様々なレシピが作られるので,ホワイトキュラソー+レモンジュースが嫌いでなければ,自分の好みを探しやすい。
ウォッカにすればバラライカ,ラムにすればXYZ(これはエックスワイジーと英語風に読むのが一般的),ジンにすればホワイトレディ。
・ネバダ(ショート)
ラム,ライムジュース,グレープフルーツジュース,砂糖,アンゴラチュラ・ビターズ。グレープフルーツジュースを使った,比較的珍しいショートカクテル。グレープフルーツジュースの苦味,爽快感が味わえるのでオススメ。
・スカーレットオハラ(ショート)
サザンカンフォート,クランベリージュース,ライムジュース。カクテルを知り出すと,「ベースのスピリッツが効いてないと」なんて言い出して,リキュールベースのカクテルを軽視しがちになるが,美味しいものは美味しい。サザンカンフォートはアメリカのリキュールで,オレンジや桃,ハーブ類を使った香りの良さが特徴。クランベリージュースを置いていない Bar では作れないので注意。
・ジントニック(ロング)
ジンをトニックウォーターで割る。ジンに慣れていない人はボンベイサファイヤで作ってもらうといい。私はボンベイサファイヤから入って,今ではジンが大好きになった。
・フレンチ75(ロング)
ジン,レモンジュース,砂糖,シャンパン。ジンフィズのソーダをシャンパンに変えた贅沢なカクテル。お酒の強い人向け。グラスシャンパンを出していない Bar では作れない。
・モヒート(ロング)
ラム,ライムジュース,砂糖,ミント,ソーダ。夏向けの涼しいカクテル。
・レブヒート(ロング)
シェリー(マンサニージャ)のセブンアップ割。シェリー入門にもいい。